こんにちは、院長の宮脇大です。

「先生、痩せればいびきって治りますか?」 「ダイエットしたら、CPAPやめられますか?」

これも、本当によくお聞きする質問です。

ご家族から「いびきがひどい」と言われて、 体重も少し増えてきて・・ 「もしかして、痩せれば治るのかな?」って思いますよね。

結論から言うと、

減量はSASにとても有効。でも、減量だけで完治するかは個人差が大きい

というのが実際のところなんです。

今日は、減量とSASの関係について、できるだけ具体的にお話ししてみますね。

なぜ太るといびきや無呼吸が増えるのか

まず、メカニズムから。

体重が増えると、

  • 首まわりに脂肪がつく → 喉の気道が外側から圧迫される
  • 舌や軟口蓋(喉ちんこの周り)にも脂肪がつく → 気道が内側からも狭くなる
  • お腹周りの脂肪 → 横隔膜の動きが制限されて呼吸が浅くなる

こういった変化が起きます。

つまり、体重が増えると、喉の通り道が狭くなって、空気が通りにくくなるんですね。

寝ているときは、喉の周りの筋肉が緩むので、もともと気道は狭くなりやすい状態。 そこに肥満が加わると、無呼吸が起きやすくなる、という構図です。

どのくらい痩せれば効果があるのか

これ、よく聞かれます。

データとしては、

  • 体重の10%減少で、AHI(無呼吸低呼吸指数)が約20〜30%減る

という報告があります。

例えば、

  • 体重 80kg の方が 8kg 減量 → AHIが20%以上減る可能性
  • 体重 100kg の方が 10kg 減量 → AHIが20〜30%減る可能性

つまり、「ちょっと痩せれば、ちょっと良くなる」ということ。

まったく効果がない訳ではないんです。 むしろ、減量はSASに効く一番のセルフケアと言ってもいいくらいです。

ただし、注意点もあります

ここからが、正直にお伝えしたいところです。

1. 減量だけで完治する人は、限定的

軽症〜中等症のSASで、肥満が主な原因の方であれば、 減量だけでSASが治る可能性は十分あります

でも、

  • 重症SASの方
  • もともと顎が小さい・気道が狭い体質の方
  • 加齢による筋肉の緩みが原因の方

こういう方は、痩せても無呼吸が残ることが多いんです。

「痩せたから絶対治る」と過信しないことが大事ですね。

2. 急激な減量は禁物

「よし、3ヶ月で20kg痩せるぞ!」

気持ちは分かりますが、急激な減量は、

  • リバウンドのリスクが高い
  • 筋肉量も減ってしまう
  • 続かない

ということで、ゆっくりじわじわが一番です。

目安としては、1ヶ月に体重の2〜4%程度。 80kgの方なら月1.6〜3kg減のペースで、半年〜1年かけて落とすイメージです。

3. SAS自体が、痩せにくい体質を作る

実は、SASを放置していると、

  • 日中の眠気で運動量が減る
  • 睡眠不足で食欲ホルモンが乱れる(食欲が増す方向に)
  • ストレスホルモンが増えて、内臓脂肪がつきやすくなる

こういう悪循環で、痩せにくい体質になってしまうんです。

つまり、

「痩せたいから、まずSASを治療する」

というのも、十分アリな選択肢なんですね。

CPAPと減量、どっちが先?

「CPAPやめたいから、痩せます」 「いやいや、痩せにくいから、まずCPAPで睡眠改善しましょう」

実は、両方を並行で進めるのが、私のおすすめです。

CPAPで睡眠の質を上げる  ↓ 日中のエネルギーが戻る  ↓ 運動できるようになる  ↓ 食欲ホルモンも整う  ↓ 体重が落ちる  ↓ 気道が広がる  ↓ SASが改善する  ↓ 最終的にCPAPを卒業できることも

このサイクルを、CPAPでサポートしながら回していくイメージです。

私の患者さんでも、CPAPと並行して減量を続けて、 「先生、もうCPAPなしでも眠れるようになりました」となった方、何人もいらっしゃいます。

どんな減量法がいい?

これ、本当に人によります。

  • 食事制限派
  • 運動派
  • 薬を併用する方
  • 手術(減量手術)が選択肢になる方

ご自身のライフスタイル・健康状態・好みに合わせて、選んでいただくのが一番です。

ただ、SASがある方の減量で気をつけてほしいポイントを一つ。

「夜遅くの食事と、寝酒」は本当に禁物

理由は、

  • 夜遅い食事 → 寝ている間も内臓が働いて、睡眠の質が落ちる
  • 寝酒 → 喉の筋肉がさらに緩んで、無呼吸が悪化

この2つは、SASにとって最悪のコンビネーションなんです。

詳しくは次回のお酒といびきの関係 — 寝酒がSASを悪化させるメカニズムで書こうと思っているので、楽しみにしていてくださいね。

痩せにくい人の落とし穴

最後に、外来でよくお話ししていることを。

「先生、運動も食事も気をつけているのに、全然痩せません・・」

こういう方、多いんですよね。 そして、こういう方の背景には、未治療のSASが隠れているケースがあります。

  • 寝ている間に体が「戦闘モード」になっている
  • 睡眠ホルモンが乱れて、食欲が増す
  • 日中だるくて運動できない

これでは、痩せろという方が無理な話なんです。

「最近痩せにくい」「健診で代謝系の数値が悪い」という方は、 SASの可能性を考えて、検査を受けてみる価値があります

検査は自宅で1晩、センサーをつけて寝るだけです。 自宅でできるSASの検査 — まずはここからに詳しく書いています。

Doctor’s Fitness 診療所では

私はもともと循環器内科の医師ですが、SAS診療を続けていく中で、 「痩せたいなら、まず睡眠から」 という思いを強くしています。

SASの検査・診断・CPAP治療を、すべてオンラインで対応しています。 (CPAP導入時は最初の2回だけ対面、その後はオンライン診療に切り替え可能)

「ダイエットがうまくいかない」 「健診で複数引っかかっていて、どこから手をつければ・・」

こんな方も、ぜひ一度LINEからご相談ください。 睡眠とからだの健康、両方の視点でアドバイスさせていただきます。

「ブログを読みました」と一言添えていただければ、私が直接対応します。


減量、本当に大事です。 でも、減量だけに頼りすぎないこと。 そして、痩せにくいときは、SASを疑ってみること。

ぜひ覚えておいてくださいね。

次回は、「CPAPがしんどい・続かない方へ — マスクの選び方・慣れ方のコツ」について お話ししてみようと思います。

それでは、また!

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